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おやこ de Enjoy♪ 秋の回 ~十五夜お月見さんぽ♪~

【日時】2022年9月10日(土) 19:00~21:00


親子で様々な自然体験を楽しむ「おやこde Enjoy♪」シリーズ、今回は十五夜(旧暦の8月15日)にあたる日に、その夜限定の「中秋の名月」を体験するプログラムとなりました。

少し勘違いしてしまいがちなのが、十五夜(中秋の名月)=満月とは限らないということ。

その年によって十五夜と満月の日にちがずれていることも多いのですが、なんと今年は幸運にも、十五夜と満月がぴったり重なる暦でのお月見になりました!


 今回ご参加くださったのは2組6名のご家族。そこに、レンジャー実習生の2人も加わりました。まずは簡単な自己紹介の後、レンジャーからの「お月見をしたことがある人!」という質問に対し、さすが日本人、皆さんから一斉に手が上がりました。

お月見はお月見でも、この日は十五夜の満月を体感できるスペシャルなお月見。

プログラムの流れの紹介が終わったところで、いよいよ外へ出てお月見さんぽが始まりました。


 外へ出てまず驚いたのは、とにかく明るい!近くの人や周りの景色が見えるほどです。

しかもその時間帯は、薄く雲が掛かり満月は隠れている状況。それでも、普段の夜の暗さを知っているレンジャーが、はっきりと違いを感じるほどの明るさでした。


 早速満月の明るさを実感したところで、「お月見飾り」の材料を探しながらのお散歩がスタートしました。

まずは、お月見飾りには欠かせないススキを確保。根本から切ったススキは大人の背丈を越えるほど高く、そんなススキとの背比べも盛り上がりました。

また、この時期には秋の高原の花々も咲いていて、そんなお花の香りも楽しみつつ、お飾りに使うものを選んでいきました。

その次は、お供え団子の代わりにする木の実を拾いに行きました。

今年の清里はドングリが豊作!しばしの間、ご家族でドングリ拾いを楽しみました。



 お月見飾りの材料が揃ったところで、草原が広がる広場に到着。この時、月が少しずつ顔を覗かせてきていました。

この広場で気付かされたのが、「外灯がないのに自分たちの影ができている」ということ。なんと月明りで影ができていたのです!

ここで、さらに月明りを実感するもう一つの体験。レンジャーがこども新聞を取り出し、ご家族ごとにお渡しました。すると、「読める!」という元気なお子さんの声がいくつも返ってきました!

こんな月明りが体験できるのも、明かりの少ない清里のフィールドならではの楽しみかも知れません。



 そしていよいよ、お月見飾りづくりの始まりです。広場に接しているやまねミュージアムのテラスをお借りし、お月見を楽しみながら制作を進めていきました。

このお月見飾りの由来として、秋の収穫に感謝し、今後の豊作を祈る思いが込められているそうです。

ススキや秋の草花で飾りを作った後は、お供えのお団子の代わりに、木の実のお供えづくりをしました。今晩で拾ったドングリや、レンジャーがこの秋で集めていた木の実を使って盛り付けをしていきます。

このお団子をお供えするという風習も、秋に穫れたお米を使った食べものを神様に捧げるという意味と、お団子の丸い形を満月に例えているそうです。

ちょっと欲張って飾ったススキが長過ぎて花瓶が倒れそうになったり、親子でじっくりと話し合いながらお皿へオシャレに木の実を並べたり。

ご家族それぞれが、思い思いに秋の恵みを使った飾りつけを楽しみました。



 お月見飾りづくりの後は、「満月の夜の森」を体験する時間に移っていきました。

レンジャーだけが最小限の明かりを持ち、広場の少し奥から森へと入っていきました。

明かりのない森の足元は真っ暗!前の人に続きながら、みんなでゆっくりと遊歩道を

進んでいったところで、少し開けた広場へ到着。そこで改めてゆっくりと周りを見渡し、

目が闇に慣れてくるのを待ちました。

すると体感でたったの数十秒のうちに、みるみる森の中の景色が見えてくるのです!

夜の森は「色」が消えている分、木やその枝葉のシルエットが黒の濃淡で見えてきて、まるで水墨画のような神秘的な美しさがありました。

そして、木々の隙間から覗く月明りがなんと明るいこと!夜の森に来ているのに、顔を上げると空が明るいという何とも不思議な体験でした。


 夜の森から帰ってきたところで、今度は広場にレジャーシートを敷き、ゆったりとお月見を楽しみました。この頃にはずいぶんと雲が薄くなり、綺麗な満月が姿を見せてくれていました。

ここでちょっとお茶&お菓子タイム。今回はお団子の代わりに、お団子に負けないくらいまんまるなお饅頭を、満月を見ながらいただきました。そしてお茶の方は、この日に摘んだササの葉を炒ってから煮出した「ササ茶」。寒い夜に飲む暖かくて香ばしいササ茶に、皆さんすっかりなごんでいるご様子でした。

そして、ここでも日本人らしい満月の楽しみ方の一つ「月を飲む」という体験をしました。これは、水を入れた盃や椀の水面に満月を映してそのまま飲むことで、ツキ(運)を自分に取り込むという縁起のいい習慣です。レンジャーから皆さんに茶飲みをお配りし、いざ挑戦!しかし、揺れる水面に月を映すのは想像以上に難しく、皆さん一苦労のご様子。それでもだんだんとコツを掴んでいき、最後は見事に満月を茶飲みの中に収めていました。



 楽しい一晩はあっという間に過ぎていき、最後はそれぞれが作ったお飾りを持って広場から帰っていきました。

お月見さんぽのスタート地点まで戻ってくる頃にはすっかり雲は晴れ、皆の帰りを満月が待っていてくれました。

そんな満月に見守られ、今宵のお月見さんぽはお開き。それぞれのご家族がまた月を眺めながら、ゆっくりと帰られていきました。

今回のお月見さんぽは、今そこにある自然物を使ったお飾りづくりやお供えづくり、明かりのない場所ならではの月明りの体験、夜の森のお散歩など、清里の魅力と満月の魅力の両方を新たに発見できるひと時になったのではないでしょうか。



日本人なら誰でも楽しんだことのあるお月見。家や近所から月を眺めるのもいいですが、ちょっと足を伸ばして、清里にいらしてみてはいかがでしょうか。

暗く静かで、でも私たちを暖かく迎え入れてくれる草原や森に囲まれながら、ひと味もふた味も違うお月見を一緒に楽しんでみませんか。

スタッフ一同、また満月の夜にお待ちしております。


<文責:古岩 基(もっちゃん)>

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