◇日 程:2024年1月20日(土)13:30 ~21日(日)14:30 <1泊2日>
◇場 所:清泉寮(公益財団法人キープ協会/山梨県北杜市高根町清里)
◇ゲ ス ト:降矢 英成 さん(心療内科医/赤坂溜池クリニック院長)
清泉寮を会場に1月20日からの2日間、森deリトリート宿泊編が実施されました。
今回は、赤坂溜池クリニック院長・心療内科医の降矢英成先生を
講師としてお招きしました。
降矢先生を森deリトリートでお招きするのは、コロナ期間を経て3年ぶり(!)とのことで、
自分もお話に聞いていた先生と初めてお会いできる機会となりました。
また、前回やそのもっと前にも降矢先生ゲストの回にご参加いただいた方が、
先生との再会を楽しみに来てくださいました!
今回は心理士の飯田みゆきさんにもお越しいただき、
始まりの会の前に自律神経を測定していただきました。
始まりの会では、参加者さんもスタッフも一緒にひとつの輪になり、
簡単な自己紹介をしました。
和気あいあい、皆さん和やかな笑顔でリトリートがスタートしました。
初日は「昼の森deリトリート」ということで、早速外へ!
この日の清里は午前から雪が降り始め、
野外プログラムを始めた14時過ぎには辺り一面真っ白に。
清里の冬らしい雪景色に、スタッフも参加者さんも大喜びでした!
童心に返り、寝転んで雪の上に体の形をつくってみたり、
3人1組でプラコップを型にした雪積み競争をしたり...
森の入り口では、雪のお菓子づくりというテーマで、
雪や自然の拾い物をつかった作品づくりもしました!
みなさんの個性と感性が溢れる、オンリーワンの作品が完成していました。
最後は森の奥へと入り、一人一人がゆったりと森でのひと時を過ごしました。
思い思いのお気に入りの場所を見つけ、お尻にシートを敷いて一休み。
五感を開いて森の雰囲気にひたる、静かな時間が流れていました。
昼の森での体験から帰ったところで、清里に到着した降矢先生が合流。
先生から、森林療法についてのお話をお聞きしました。
森で過ごすことで心身にもたらされる効果を、科学的・医学的な視点で
教えていただきました。また、先生オススメの森林浴スポットのほか、
森林療法の情報が手に入るwebサイトのご紹介もいただきました!
夕食を挟んで、飯田さんから脳の機能や心と体の関係、
思考・感情・体を繋ぐ呼吸についてのお話&体験がありました。
その中で、自分の感覚に目を向けること、
自分の感じたことを信頼して受け取ることの大切さを感じました。
そして、体の中のいろいろな巡りを意識した、心と体を繋げる呼吸と瞑想を
体験しました。
夜の時間は選択式ということで、「夜の森deリトリート」へ参加するグループ、
暖炉の前で自由に過ごすグループに分かれたほか、
順番に降矢先生との健康相談も開かれました。
その中で、自分は夜の森でのお散歩を担当させていただきました。
昼間でたっぷりと雪が積もり、木々の枝まで真っ白になっている森は
とても神秘的でした。また、わずかな明かりを雪が反射して、
ライトが無くても周りが見えるくらい明るい森になっていました。
この時間は一人一巻き銀マットを持ってもらい、森の中で寝転んで全身で
雪の夜の森を感じる、そんな時間を過ごしてきました。
夜の森から帰ってきたところで、暖炉でぬくぬく組と合流。
ほどなくして、暖炉といえばお決まりの「焼きマシュマロ会」が始まりました!
真剣な面持ちでマシュマロを焼く方、おしゃべりに花を咲かせる方、
暖炉の火を見つめて物思いに耽る方...
火の温もりと人の温もりに包まれる、暖かな夜のひと時でした。
2日目は、朝食前に降矢先生のレクチャーのもと「気功体操」の体験から始まりました。
朝の時間はまだ寒さがあるということで、今回は室内でゆるりと実施。
体勢を整え、呼吸を整え、自然のエネルギーをたっぷり心身に取り入れる。
「今目の前に木があったら」そんな樹林気功の発想も交えながら、
次森へ行ったらやってみたくなる、気功の一端を伝授していただきました!
朝食の後は、降矢先生が今熱心に研究されているという「チベット医学」に
ついてお話をいただきました。
仏教の考え方との繋がりが強い中で、食物の効能や生活習慣を整えることによる
根本治療など、現代医学にも通じる考え方が多く確立されていたことに驚かされました。
また、健康な生き方を求めていく中で前世の業を解消すること、
自分の「生命」だけでなく「魂」の充実を大事にするなど、
宗教観・人生観と結びついた民族医学の奥深さを垣間見ることができました。
お昼までの時間は選択式で、少し長めに森のハイキングへ行くグループ、
室内中心で蜜ろうそくづくりをするグループ&降矢先生の健康相談の
続きも同時開催しました。
自分は蜜ろうそくづくりのお手伝いをさせていただきました。
蜜ろうとは、ミツバチが巣作りのために分泌したろう成分を集めて固めたもの。
今回は円盤状に固められた蜜ろうをお湯で柔らかくして、
粘土のように好きなデザインで形作りました。
蜜ろうそくが完成した後は、飾り付けの自然物を取りに少し外へ。
マツボックリなどの木の実、天然のドライフラワーも見つかり、
みなさんの蜜ろうそくが素敵に飾り付けられていきました。
蜜ろうそく組の作品が完成し始めたところで、ハイキング組が無事帰還!
雪が降り出すタイミングもありましたが、
道なき道の先、森の奥で待つ「主の木」に会って来れたそうです。
参加者さんの中には、以前に主の木のもとでお願い事をして、
それが叶ったことを今回で伝えて来れた...!という方もいらっしゃいました。
たくさんの方々を森へとお連れしている中で、人と森との繋がりが
続いてくれていることに、改めて感謝の気持ちでいっぱいになりました。
今回のリトリートの最後には一人の時間を取り、
それぞれが自分の思いや気付きを書き留めていきました。
終わりの会では参加者さんからのご感想で、
ここで出会えた人と一緒にこの時間を過ごせて良かった、
というお話を聞けたことが何より嬉しく思いました。
全てのプログラムが終わり、清泉寮から出てきた皆を迎えてくれたのは、
雪が止んだ山の裾野に広がる雲海と、雲の切れ間から覗く青空でした。
それはまるで、清里の自然が自分たちを祝福してくれているかのようで...。
自然との出会い、人との出会い、そしてそこで生まれた繋がり。
冬の清里で、忘れられない2日間のリトリートとなりました。
文責:古岩 基(もっちゃん)
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