【第3回】2021年12月16日(木)10:00~15:00
【第4回】2021年12月17日(金)10:00~15:00 (内容は各回共通)
【会 場】キープ協会敷地内
「清里の父」とも呼ばれるポール・ラッシュ博士は、
28歳でアメリカより来日してから82歳で亡くなるまで、
生涯をかけて日本の社会事業に身を捧げた方です。
博士の哲学として残る言葉
”Do your best and it must be first class”は、
博士が無償の奉仕で社会事業に取り組んだ心構えであり、
日本の若者に残した教えの言葉として有名です。
そんなポール・ラッシュ博士の功績をお伝えするガイドツアーを、11月に続き12月16日と17日に開催致しました。(内容は両日とも共通です。)
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11月実施回と同じように、今回もまたスタッフが「ポール・ラッシュ博士」に扮する「リビングヒストリー」と呼ばれる手法にて実施しました。「進行役」のスタッフが解説したりクイズを出すだけでなく、「ポールさん役」のスタッフがコメンテーターのように「体験談」を語ります。
「初代の清泉寮が燃えてしまった時、真っ先に駆けつけて、私を励ましてくれたのは『清里の農民のみなさま』でした。落ち込む私に温かい声をかけてくださっただけでなく、『もう一度清泉寮を建ててください』と、なけなしのお金を差し出してくださいました。中には、ご自身のお葬式のために残しておいたお金を渡して下さった方もいました。決して豊かとはいえない暮らしをしている皆様の温かい心に触れて、私は『もう一度清泉寮を建てよう。そしてこの人たちと共に生きてゆこう』と決意を固めたのです。」
「終戦後、数年ぶりに清里に戻ってきた私は、子どもたちの姿を見て愕然としました。子どもたちの背が伸びておらず、全く成長していなかったのです。きっと充分にご飯を食べることができなかったのでしょう。『これではいけない!』そう思った私は、「酪農」を中心とした農村モデルを考えました。「食料・保健・信仰」が揃って初めて、「青年への希望」が生まれる。この4つの理念を掲げた農村モデルを成功させれば、国土の大半が山間部である日本が戦後の荒廃から復興できるのではないか。そう考えたのです。」
参加者のみなさまも、ポール・ラッシュ博士が「スタッフのなりきり」であることは十分ご理解の上ですが、『「私」という一人称』が持つ言葉の力に、次第に引き込まれてゆきました。
最後は11月同様、ポールさんの遺骨が眠る「アンデレ教会」を訪れ、参加者の皆様に一歩踏み込んだ質問を致しました。
『もしあなたがポールさんなら、今の日本(清里)に対してどんな理念を掲げて活動しますか?』
「若い世代へ希望を」 「自愛 慈愛 調和」 「CO2削減 脱プラスチック」
「平和な世界をめざす子どもたちを育てる環境教育」
「世界のアンバランスを直したい 食料 教育の機会etc」
などなど、参加者のみなさまから様々なご回答を頂きました。
ポール・ラッシュ博士は、戦前に日本の若者を育てるために様々な活動を行っただけでなく、戦後の清里・そして日本の復興のため、様々な理念を掲げて活動された方。ポールさんが亡くなられる際、「これからは日本の皆さんがアジアや世界の人たちのために活動してくださいね」との言葉を遺されています。
今回のこの体験を通して、ポール・ラッシュ博士に対する理解だけでなく、参加された皆様の中にも新しい心の動きが芽生えたのではと感じる時間でした。
<文責:村井孝一(グランパ)>
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