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第80回清里インタープリテーションセミナー(入門編)~ストーリー×体験=伝わる場づくり~

第80回清里インタープリテーションセミナー(入門編)


●セミナーのねらい 

①    インタープリテーションの考え方や手法について学ぶ

②    自然体験型環境教育について学ぶ

③    あなた自身のねらいを学ぶ


〇そのために大切にしたい事

①    体験から学ぶこと

②    お互いから学ぶ

③    楽しみながら学ぶこと


**1日目:「インタープリテーション」について知る!**


開講式が終わり、心と体の緊張を解すウォーミングアップ(アイスブレイク)を行いました。まず、ストレッチをして身体をリラックスさせ、そのあと好きな季節や好きな場所(川や海、町、自分の家、山や森)を題材にし、それぞれ分かれ好きな理由を共有しあいました。そして、出身ごとに集まり、日本地図になるように並ぶ「人間マップ」を行いました。このアイスブレイクで、話し合ってお互いのことが分かり、緊張が和らぎ、とても楽しく参加出来ました。


和やかな雰囲気の中、やっさん(鳥屋尾 健)によるインタープリテーションを体験しました。まず、自然を感じ取る準備体操から始まりました。目を閉じ、風が吹いている方向や太陽の位置を感じ取りました。感性の体操の後、スタッフさんによる八ヶ岳の紙芝居が始まりました。「八ヶ岳と富士山の背比べ」の紙芝居を八ヶ岳役と富士山役を面白く演じてくださいました。楽しい気持ちのまま、選んだ色鉛筆と同じ色を自然の物から探すアクティビティをやりました。人によっては、難しい色を選んだ人もいて、探すのに一苦労していましたが、注意深く探すと色鉛筆と同じ色の自然物を見つけることが出来ました。その後、全員で自分の色と同じものを見せ合い、同じ色鉛筆でも探し出したものが異なり、それぞれの感性が出ていたのが面白かったです。

視覚にフォーカスしたアクティビティの後に、昔ながらの笹船で遊びました。皆で和気あいあいと、作ることから始まり、川で流し誰が遠くまで流せるか競い合いました。一人の笹船が石に引っかかってしまったら、他の人が枝で笹船を動かしたりと助け合いも生まれた空間でした。

助け合いが生まれた後は、ミニマムからの自然の見え方を想像する「森んちゅの冒険」を行いました。4、5人の班で、モールで出来た小人(森んちゅ)の冒険している姿を想像して作り上げました。各班で出来た冒険はそれぞれに物語がありました。森んちゅは揺られている葉っぱに乗ってブランコ遊びしていたり、葉っぱを船代わりにして川を渡っていたりしました。作品を通してそれぞれの感性に触れることができ、新たな視点が生まれました。

「五感」を使ったインタープリテーションを体験することができ、今まで知らなかった森の楽しさや、様々な視点・気づきが分かりました。


やっさん(鳥屋尾 健)のインタープリテーション体験をして、休憩をとり、このセミナーの目的を共有しました。目的が分かることで、3日間で成し遂げることを把握しながら活動出来、より学びが深まりました。

目的共有したら、参加者全員の自己紹介が始まりました。自己紹介は自己紹介シートをもとに行いました。項目は、①名前・出身・所属、②趣味・マイブーム、③やっさんのインタープリテーション体験の感想、④セミナーを通して持って帰りたい事、達成したい事、目標でした。自己紹介を通して、共通で環境教育に意欲・関心があり、人柄が分かったことで一段と仲が深まり温かい空間になりました。


仲睦まじく夕食を食べ終え、講師やっさん(鳥屋尾 健)によるインタープリテーション概論が始まりました。インタープリテーションの定義、全体像、「TORE」など、インタープリテーションの土台となる基礎部分を学びました。そして、インタープリテーションの具体例を教えていただいて、インタープリテーションには様々なアプローチの仕方があることが分かりました。その学びを生かして自分の大切なものを3分間話すワークに取り組みました。それぞれに思い出が詰まった物を語り合い、インタープリテーションを自分たちで体験させていただきました。


その後、今日何があったのか個人で振り返り、全員で振り返りを共有し、1日目が終了しました。



**2日目:「インタープリテーション」をやってみる**


2日目は朝から快晴だったので、良いスタートを切ることが出来ました!朝の時間はみかんちゃん(山下 美夏)による朝散歩です。モミの香りでリラックスし、動物クイズで楽しくなり、八ヶ岳の絶景や、自分たちが作成した生け花で色鮮やかな自然に心が躍りました。

五感を使い、心地良い風と自然豊かな清里を朝から堪能することが出来ました。


朝食を食べ終え、2日目最初の講義が始まりました。講義では、一日目にやったTOREの確認した後、インタープリターがデザインする時間(導入→展開→まとめ)、空間(場所、参加者の動き指導者の振る舞いなど)、関係(親しみやすい雰囲気や声掛けなどによる関係づくり)を学んだあと、自分だったら時間をどうデザインするのか話し合い、何が大事なのか確認し、プログラムの構造・流れを学ぶことが出来ました。その後、インタープリテーションの3つのスタイルについて学び、インタープリテーションの構成の仕方について理解出来ました。


そして、講義で学んだことを生かして、インタープリテーションの実践を実習で行いました。

実習では、4~5人グループで一からプログラムを作成し、班以外の参加者を対象者として作成したプログラムを実施します。プログラムの作成では、伝えたいストーリーと体験を組み合わせて作っていきます。何を伝えたいのか、何の体験をしてもらいたいのか挙げていき、納得いくまで話し合って、プログラムを組み立てていきます。複数人で作ることで、一人だと気づけない視点、思い付かなかった発想に出会えたり、話し合いを重ね主体性や協調性が高まり、良いプログラムを作成できました!


お昼を食べ終えたら、すぐにプログラム発表の時間がやってきました!

4つの班に分かれて、それぞれが練り直したプログラムを実施してきます。

実施してみて、時間配分の甘さ、リハーサルの重要さなど改善が必要な点が出てきたりしましたが、班員全員でやりきり、達成感がありました。その後、参加者に書いてもらったフィードバックの紙と自分が感じたことを基に班員で振り返りました。自分たちでは気づけないよい点や改善点を指摘されたことで、より良いプログラムを作ることが出来そうです。やる機会がないのが悲しいところですね。

夕食後は、しゅんしゅん(鈴木 俊輔)によるナイトハイクです。

夜の生き物の姿を見たり、実際にシカを見ることが出来たりと、夜の生き物達の過ごし方が分かったり、夜の森と向き合う時間があったりしました。今まで夜の森は危険で怖いという印象がありましたが、物静かな暗闇に包まれ謎な安心感へとガラリと変わりました。


**3日目:「インタープリテーション」を自分自身の日常につながる**

最初は自然体験活動による安全対策をやりました。自然体験活動で間違った行動がが描かれたイラストを用いた危険予知トレーニングを行いました。まず、個人で誤った箇所を探します。探し終わったら、3~4人のグループで間違った行動を共有し合いました。人によって危険だと思う箇所が異なり、危険は身近に潜んでいることが理解出来ました。


最後に、「インタープリテーションの大切な場作り」とは何か3日間で体験や学びを通して自分の考えを書き出し発表しました。

皆さんの考えには、準備をし尽くすこと(世界観の統一、他の人の仕事分担把握など)、目的にあった雰囲気づくり(楽しい、話し方、表情など)、人を大切にすること、Hospitality(サービス精神、主役はお客様)が挙がりました。この3日間で出た考え方とは思えないくらい、全てがその通りだなと考えさせられました。深く考えれば考えるほどに、インタープリテーションが奥深い教育活動だと思わされました。


全ての講義と実習を終え、3日間の振り返りをし共有し合いました。自分自身のねらいが達成できたか、今回の研修で印象に残ったこと、活かせそうなことややりたいと思うことを話し合いました。自分の狙い、目標が達成できた人もいれば、これからの目標にしているひともいました。また、やっさんの「触発」という言葉に感化された人もいれば、今回学んだことを自分の仕事に活かそうとしている人もいました。総じて、参加者全員が今後の生活の中で達成するためのきっかけにすることが出来ました。

 閉講式では、終了証を参加者同士で渡し合い、お互いに頑張ってきたことを賛称し合いました。終了証を受け取る際に感極まり、涙を流す人も数名いて、このセミナーはとても良い会だったんだと思いを馳せました。

皆さんと話したことを通して、新しい見解や視点に触れてとても学ぶことが沢山ありました。

今回の出会いが一期一会の縁ではなく、今後ともこのご縁が続くことを願っています!

そして、これからもインタープリターの仲間としてお互いに学び合える関係でありたいです。


 参加していただいたみなさん、3日間本当にありがとうございました!それぞれの場所でのご活躍を心より願っております。また清里に遊びに来てくださいね!







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