【日時】2017年3月11日(土)~12日(日) 【会場】キープ自然学校
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ヤマネは普段決まった巣を持ちませんが、繁殖のときには樹上に巣を作ることが知られています。また冬の間、地面や地中で冬眠をしますが、そのうち3割程度は冬眠用の巣「冬眠巣(とうみんそう)」を作るそうです。今回はこの冬眠巣を題材に、ヤマネの巣づくりに迫りました。
はじまりの会
「(関根)校長先生、ヤマネの体重は?」 「(湊) およそ18gです。」 「(関根)皆さん、ここに新聞紙の束があります。新聞紙をヤマネの体重と同じ18g分にしてください!」 近くの人と相談しながら、新聞紙を丸めたり、ちぎったり。実際に計測すると、18gピッタリになったグループも!答えは意外にも、新聞紙●枚分とほぼ同じ重さでした。
1時間目:ヤマネのすむ森たんけん
眠りねずみの別名もあるヤマネ。寝具つまり寝床となる材料にはこだわりがあるはず・・・と、落ち葉、樹皮、コケなどを森の中から拾い集め、一体どの寝床をヤマネが好むかを調べていきます。
2時間目:校長先生の特別授業
ヤマネと出会って約40年、やむどころかさらに高まる校長先生のヤマネへの熱意。ヤマネの起源、ニホンヤマネの分布、世界各国のヤマネ・・・ユーモアたっぷりのお話に、子どもも大人も釘付けです。
3時間目:ヤマネのかんさつ
丸めた身体を少しずつ広げて・・・ 小刻みに身体を震わせて・・・ あっ、目が開いた! ヤマネが冬眠から目覚めるまでおよそ50分。段階的に眠りから覚めていく様子を、過去の研究者が発表した説と比較しながら観察します。 次に拾い集めた巣材を入れた小箱をヤマネの飼育ケージに敷き詰め、どの小箱の中でヤマネが眠るのかを調べます。結果は翌朝までのお楽しみ。
※ヤマネの保護飼育は関係省庁の許可を得た上で行っています。
4時間目:なりきり!ヤマネの巣づくり
「ヤマネくん、寝心地が良かったのはどの寝床かな?」 昨夜の実験の結果を確かめます。 「カプセルのような形が好きなのかな?」 「人間が布団に潜って眠るのと同じ気持ちかもね。」 実験結果を踏まえて、いよいよ冬眠巣づくりにチャレンジ!手作業だけでヤマネの冬眠巣を再現します。もちろん接着剤や工具はなし。冬眠巣の特徴として樹皮を球状に編むことが知られていますが、これを真似るのは本当に難しかったです。
まとめの時間
参加者皆さんの汗と工夫が詰まった冬眠巣が完成。 「私が作った巣はおすすめ物件ですよ!」 「この巣はきれいに球状になっているね。」 お互いに作品の鑑賞を楽しんだところで、本物のヤマネの冬眠巣が登場。自分が作った巣と実際の巣を見比べます。ヤマネは一晩で巣を仕上げるのだとか。ヤマネの器用さに改めて脱帽です。 外敵から身を守るため、安定して冬眠をするため、小さな身体で巧みに巣を作るヤマネ。その懸命な姿に思いを馳せた2日間でした。
ご参加くださった皆さん、本当にありがとうございました!
(関根 健吾)
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