【講師】 鳥屋尾 健 <公益財団法人キープ協会 環境教育事業部 事業部長>
【日程】2017年5月3日(水・祝)13:30~5日(金・祝)14:30 <2泊3日>
【会場】キープ自然学校(公益財団法人キープ協会/山梨県北杜市高根町清里)
涼しい風が吹き青々とした葉が揺れる清里で、第69回インタープリターズキャンプが始まりました。
インタープリターや環境教育に興味のある参加者12名が集まりました。
今回は「入門編」というこで、以下の3つがねらいとなっています。
① 自然体験型環境教育の考え方を学ぶ
② インタープリテーションの考え方や手法を学ぶ
③ 自分自身のねらいを達成する
また、そのために以下の3つを大切にして学びました。
① 体験から学ぶこと(まずは、体験することから)
② お互いから学ぶこと(相互啓発、相互学習、みんなが先生)
③ 楽しみながら学ぶこと(あそび心で♪)
1日目:「インタープリテーションについて知る」
まずは3日間を共に過ごす仲間とのアイスブレイキングで打ち解けあいます。
清里まで来るのにかかった時間順に並ぶゲームは、「えっそんな遠いところから!?」といった驚きの声も上がり、お互いを知っていきました。(今回は北海道から来られた方が最も遠方でした⤵)
自分たちの好きな平仮名を2文字紙に書き、その後単語になるようにいろいろな人とペアを組みながらことばを作っていき話し合うことで緊張も徐々に打ち解けていきました。
その後、講師の「やっさん」こと鳥屋尾さん(以下やっさん)による自然体験プログラム(2時間)で、清里の森を知るとともに、インタープリテーションを体験していきます。
足元に落ちている自然物の中からお気に入りのものを集めて自然をゆっくり観察したり、笹を使った遊び(笹船、ニワトリ、草笛、棒飴)を通して自然を使った色々な遊び方があることを知りました。
最後に小さいカップに植物や土、水などを入れて自分が想像する世界を作り、題名をつけようというアクティビティがありました。作品をみんなで紹介しあうと、ドングリを夫婦に見立てて結婚式をイメージした人。
あるいはカップを逆さまにして地下の世界を表現した「アンダーグラウンド」といった作品など、様々な発想の作品があり、他者の感性から刺激を受けたり学びを得ることができた自然体験となりました。
自然体験の後は、このキャンプに参加するにあたっての「自身のねらい」の共有とお互いの自己紹介です。
それぞれが今講座を通してねらいをどう達成していくか。改めて書き起こし共有することで、明確になっていきました。
その後はやっさんによる『インタープリテーション概論①』です。インタープリテーションはどのような分野で活用されているのか?環境教育とは具体的に何なのかといった疑問について個々の認識を共有、基礎情報の確認をしました
最後にグループごとで1日目のふりかえりの時間を設けました。初日の体験活動で学んだことや、自分のねらいを確認していきました。
2日目:「インタープリテーションを実際にやってみる」
2日目は、まーりー(西尾 有香音)さんによる朝の散歩から始まりました。
清々しい朝の空気を身体いっぱいに感じながら、朝露でキラキラ輝く葉っぱに触れながら森を歩きます。
しばらく進むと景色が一望できる展望デッキに着くと、快晴の空と清里の山々と富士山が見渡せました。
「とても気持ちがいいね!」といった参加者の声も上がり、清里の自然をじっくり感じる事が出来た散歩となりました。
次にやっさん指導の基、野外に出てインタープリテーションを実践してみます。お互いが心に残った景色や自然物をペアの相手に紹介していく中で、伝えたいという気もちを動かし、自分の言葉で伝える面白さを体験します。
そして自分達でインタープリテーションをしていきます。二人一組のペアでまずは体験を通して参加者にどうなって欲しいかねらいを決め、プログラムシートを制作します。
各グループでプログラム内容の作戦会議をじっくり行ったり、実際に現場の下見をしながら綿密に準備していきました。
午前中はプログラムの作戦会議で、午後からプログラムの実施を行いました。参加者の中にはプログラムを実施
するのは初めてといった方もいて、ほどよい緊張の中での発表となりました。
15分間の発表で、短い準備期間の中でしたが充実した内容の発表となりました。
その後自分達のグループのふりかえりを行い、ねらいが参加者に伝わったかどうか、次回行うとしたらどう改善するかといったことを全体で共有しました。
夕食後は、日も落ち暗闇の中の森を歩くナイトハイクを体験します。途中で懐中電灯の明かりを消し、暗闇に徐々に目が慣れてくると、ツチボタルの小さな光があちらこちらで見る事が出来ました。
また、まぶしい位の月明かりに照らされた草原で皆各自好きな場所に寝転がり、幻想的な夜を過ごしました。
2日目のふりかえりでは、初めはインタープリテーションを学び取ろう!と強い気持ちで意気込んでいたが、今日実際にやってみて、人に伝える楽しさを味わい肩ひじ張らずに自分が楽しい、面白いと思ったことを伝えることがインタープリテーションと気づき柔軟な考えになった」といった実施して新たな発見、手法に気づかれた意見が多く上がりました。
3日目:「インタープリテーションを自分自身の日常につなげる」
3日目の補いの講義では、インタープリターの型の紹介や参加者の興味の火をつけて、その興味を消さず炭火のような状態にして、引き続き興味を持ち続けてもらう「焚き火」の役割であることを学びました。
質疑応答では、これから仕事場でインタープリテーションを活用していくうえでの具体的な質問(自然の知識はどのように身に付ければいいか?危険な生き物や場所があるフィールドで自然体験を行う場合、参加者にどのような声掛けを行えばいいか?)などがあり、みんなで意見を出し合うことで、お互いから様々な事を学び合えました。
そして3日間でそれぞれの課題や学んだことを落とし込み、みんなで分かち合う時間です。
特にふりかえりの時間は「自分のための時間」で、ゆっくり時間をかけて整理します。
このキャンプで過ごした仲間による意見やアドバイスは、心に残るものとなったと思います。
それぞれが自身の日常に戻った時にこのキャンプで得たこと学んだことを、皆さんそれぞれのご活躍の場で活かして頂くことを心より願っております。
(記入者:齋藤 琴音)
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